いびきは万病のもと
いびきは、睡眠中に気道が狭くなり、空気の流れが乱れることで発生します。いびきをする方のなかには呼吸がとまってしまう人がいます。これを「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」といいますが、SASが進行すると、以下のようなさまざまな疾患のリスクが高まります。
- 心房細動 脈が乱れて動悸がします。心原性脳梗塞の原因になります。
- 高血圧症
いびきの検査
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断に用いられる検査には簡易PSG(簡易睡眠ポリグラフ検査)とフルPSG(フル睡眠ポリグラフ検査)の2種類があります。それぞれの特徴と違いを以下にまとめます。
簡易PSG | フルPSG | |
---|---|---|
装着 | 比較的容易 | 難しい (ご家族と一緒にとりつけが必要) |
項目 | 脳波, 呼吸状態, 酸素状態, いびきの状態 心拍数, 筋肉の動き | +眼球の動き, 横隔膜の動き |
費用 | 9000円 3割負担2700円 2割負担1800円 1割負担900円 | 37500円 3割負担 11250円 2割負担 7500円 1割負担 3750円 |
検査タイミング | 最初に行う | 簡易PSGで無呼吸指数が40未満のとき |
場所 | 外来 | 通常は入院 (当院で外来検査できるようになりました) |
簡易PSGの追加検査としてフルPSGをおすすめすることがあります。通常は入院で検査しますが当院ではご家族のサポートが受けられるなど一定条件をクリアできれば外来で検査できます。
睡眠の検査ですので、いはゆる「枕が違う」ということがなくなり、ご自宅の睡眠の環境で検査ができます。また、入院費用がかからないという経済的メリットもあります。自宅検査のデメリットはお一人での検査器具の着用が難しく、ご家族のサポートが必要になります。
まとめ
睡眠時検査(簡易PSGやフルPSG)により、無呼吸や低呼吸の発生頻度、酸素濃度の低下などを把握できます。これにより、重症度や適切な治療法の選択が可能になります。「いびきは万病のもと」とも言われるように、軽視せずに臨床症状(日中の眠気、倦怠感、居眠り運転など)がある場合は検査が勧められます。
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