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シルガードのキャッチアップ接種(1回目)が3月31日までです

子宮頸がんを予防するHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン「シルガード9」のキャッチアップ接種(特例救済措置)の期限が3月31日です。

HPVワクチンで防げる病気

HPVは子宮頸がんの主な原因であり、特にHPV16型と18型が約70%の子宮頸がんを引き起こします。シルガード9は、これに加えてHPV 6、11、31、33、45、52、58型にも対応し、90%以上の子宮頸がんを予防できるとされています(Centers for Disease Control and Prevention [CDC], 2021)。

キャッチアップ接種の対象者

日本では、一時的にHPVワクチンの積極的勧奨が中止されていたため、本来接種を受ける機会がなかった世代(1997~2007年度生まれの女性)が特例救済措置として無料で接種できるようになっています(厚生労働省, 2022)。この機会を逃すと、全額自己負担になるため、対象者は早めの接種が推奨されます。1回でも、2025年3月31日にワクチン接種をうけると補助がうけられます。

早めに接種するメリット

HPVワクチンは、感染前に接種することで最大の効果を発揮します。若いうちに接種することで、将来的な子宮頸がんや尖圭コンジローマのリスクを大幅に低減できます。

キャッチアップ接種の期限は2025年3月末までとされており、これを過ぎると費用負担が発生するため、早めの接種が重要です。

海外のデータが示すHPVワクチンの有効性

スウェーデンで実施された大規模研究では、HPVワクチンを10代で接種した女性は、子宮頸がんの発症リスクが約88%減少したことが報告されています(Lei et al., 2020)。

また、オーストラリアではHPVワクチン導入後、若年層の子宮頸がんの前がん病変が急激に減少し、ワクチンの有効性が証明されています(Brotherton et al., 2016)。

キャッチアップ接種は今がチャンス!

HPVワクチン「シルガード9」のキャッチアップ接種は、子宮頸がん予防のために極めて重要です。無料で接種できる期間(2025年3月末まで)をぜひ逃さないようにしましょう。


参考文献

Brotherton, J. M. L., et al. (2016). Early effect of the HPV vaccination programme on cervical abnormalities in Victoria, Australia: An ecological study. The Lancet, 377(9783), 2085-2092.

• Centers for Disease Control and Prevention. (2021). HPV Vaccine Information. Retrieved from https://www.cdc.gov

• Lei, J., et al. (2020). HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer. The New England Journal of Medicine, 383, 1340-1348.

• 厚生労働省. (2022). ヒトパピローマウイルス感染症(HPVワクチン)について. Retrieved from https://www.mhlw.go.jp

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この記事を書いた人

沖縄北あんしん内科クリニック院長。専門は虚血性心疾患と心臓リハビリ。小学生時代は肥満児で柔道部に入部をきっかけに、ダイエットに成功した。以来、スキー、水泳、サーフィンなど様々なスポーツにチェレンジしている。自身のダイエットの成功体験を元に、医療のみならず、運動や食事など総合的なライフスタイル提案をするために2023年に自身のクリニックを開業する。

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