息切れの原因(見過ごされやすい肺高血圧症)
うごくと息切れがして病院に行ったけれど、原因がわからない。そんなときに肺高血圧症が隠れているかもしれません。心臓、肺、血液(貧血)を最初に検査しますが、肺高血圧症は心エコー検査でスクリーニング(この病気があるかもしれないというきっかけになる検査)をするため、心エコーをしないとわかりません。また、三尖弁逆流の速度という値に注目しないといけませんので、見つけるのが難しいことがあります。
肺高血圧症の自覚症状
歩くと息切れしたり、靴紐を結ぶような姿勢で息切れがでるのは初期症状で、ひどくなると息切れしたり、足がむくんできます。
肺高血圧症の原因
いろいろな原因があります。ニース分類という大まかな分類があって、これらがないか探していきます。
第1群 | 肺動脈性高血圧症 | 肺の血管が固くなってしいまう その他 HIV感染症や膠原病などもこの分類にはいります |
第2群 | 左心性心疾患に伴う肺高血圧症 | 心臓がわるくて起こる肺高血圧 |
第3群 | 肺疾患および/または低酸素に伴う肺高血圧症 | 慢性閉塞性肺疾患やその他のハイの病気に伴う肺高血圧症 |
第4群 | 慢性血栓性肺高血圧症 | 肺の中に血が固まっている状態 抗凝固薬(血のサラサラの薬)や風船で肺の血栓を治療する |
第5群 | 詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症 | その他 |
右の解説は大雑把なイメージです
外来で「原因はなんですか?」と聞かれますが、すぐに原因はみつかりません。検査でこれらの原因を探していきます。原因や重症度によって治療が異なります。
沖縄県の現状
沖縄県ではこの病気の人数が少ないため、病気があっても見つかっていない人がいるといわれています。息切れがあって原因不明の場合は肺高血圧の除外を心エコーでするのも大事ですね。